2008年06月26日
ストラトやテレキャスのどの辺が量産に向いてるか考えて見る
ネックとボディの接合
まず、ネックジョイントについて写真つきで説明してみるでも書いたように、ネックとボディを別々に作って、あとはボルトで締めるだけな構造。レスポールなどのセットネックではネックとギターを接着剤でくっつけるのに、適度な圧力と十分な乾燥期間が必要だが、それがない。つまり工房で寝ている時間が短いし、それこそ組み立て自体は素人でも出来るほど、たいした技術もいらない。
ヘッドの角度
レスポール等はテンションを稼ぐためにヘッドに角度をつけていますが、ストラト、テレキャスではつけていません。代わりに、ヘッドがナット部よりも豪快に下がっており、またテンションが下がりやすい高音弦には、テンションバーで弦を押さえつけています。木工を授業程度でもやった方なら想像つくと思いますが、木材の面でも、難易度の面でもストラトの方が安く上げられます。
フラットトップ
まあ、フラットトップ自体は珍しくもなんともなかったと思うのですが、アーチドトップは採用せず、平坦なフラットトップが採用され、人間にとって邪魔な部分は削られています。これをコンタードカットといいます。
ピックガード
ストラト、テレキャスのピックガードですが、これが個人的には一番よくできてんなーと感じました。世の殆どのギターはダイレクトマウント(ギター本体に直接PUを取り付けている)ですが、ストラトではPUやその配線、コントロール系及びその殆どの配線をピックガードに取り付けてあるため、組み立て、修理が非常に簡単です。
ブリッジ
ストラトのFender社の開発したトレモロブリッジはビグスビー社に比べ、単純かつ効果が大きいものでした。また、テレキャスターの駒は3個しかなく、一つの駒で2本の弦を支えていました。なのでハイポジションでの音程が微妙だそうです。オクターブチューニングについては、後日、チューニングについて数回記事を書こうかと思います。
以上のことから、フェンダー系のギターでは当初から向上のライン生産を意識した設計がなされており、特にテレキャスにいたってはネック、ボディ、ピックガード&電気配線をそれぞれ作って最後にボルトやねじで止めるだけといういたってシンプルな工程で清算することが出来ます。私も技術者なので、楽器としての本質的な価値とは直接関係ある訳ではないですが、工業製品としての優秀さ、という面でもフェンダー系のギターに弾かれるところが多いと感じています。
また、このフェンダー系のギターこそが、後年に良くも悪くも、ギターの低価格化、庶民化を進めていくきっかけになっていると考えています。
70年代〜更なる簡略化
さて、おまけ程度ですがその後も続けられた再設計についても少し触れておきます。
Fenderは1965年に大手企業のCBSに買収されます。が、そのCBSは決して製造業としての楽器会社の運営に長けていたわけではなく、様々な再設計を加えていきます。70年代もののよりロゴを目立たせるためのラージヘッド、ロゴの変更、もう一点は1975年からのフラットポールピースは有名ですが、特に改悪とみなせる大きな仕様変更がありました。
それは1972年よりネックとのジョイントを4本のボルトから3本に変更したこと。
まあ、3点あれば理論上安定するはずなのですが、実際はジョイント部分が結構動き、チューニングが狂ったらネックを動かして元に戻すなんて話も雑誌で見た事がありますw
また、コストダウンには必ずしも結びつきませんが、木材にも色々変更が加えられ、それまでのライトアッシュ、アルダーに加えバスウッドの採用(これはいつか知りません。突っ込みお願いします)、70年代はより安価で重いホワイトアッシュが使われるなど、その時代を反映しつつ改良、改悪(笑)を繰り返して今に至っています。
俺がフェンダー、ギブソンに対して持っている印象は、「良くも悪くも伝統を継承しつつ変なことをやってきたギブソン」「基本形は大きく変わらないが、時代、需要に合わせて良くも悪くも数多くのバリエーションを作り出してきたフェンダー」というイメージですね。。。








