2008年06月22日
ネックジョイントについて写真つきで説明してみる
さて、今週の時点で、普段良く使う3種類のギターを紹介しました。
ストラトタイプであるNavigator(ESP)のEsparto,heerbyのレスポールタイプ,ESPのHORIZONですね。
それぞれ特徴的なのですが、3本のギターをあらわす最も大きな特徴があります。
それが、表題に書いてあるネックジョイント方法なんですね。
ギターは、基本的な構造として、大きく二つのパーツに分けることが出来ます。
- ネック
- ボディ
ですね。これにヘッド、ペグ、ナット、フレット、PU、ブリッジなどがくっつけられてギターになるわけです。
そして、ギターの構造の基本中の基本であるために、ネックとボディが音色に与える影響が大きいことは皆さんご存知だと思います。
となると、当然、そのパーツ同士の接続がどうやって行われてくるかによっても、音が変わってきます。
また、ハイポジションでのプレイヤビリティやメンテナンス性についても随分替わってきます。
では、これから各所有ギターを元に接続方法を紹介していきます。
ボルトオン
ボルトオンはFenderタイプのギターをはじめ、最も普及している接続方法です。また、そのギターの木工精度を見る際、真っ先にチェックされる場所でもありますw
ネックの取り付け、取り外しが容易なため、メンテナンス性に大変優れており、万が一ネックが折れた場合でも新しく交換が可能です。
また、その簡易さからギター製作時のコスト(人件費、作業場の回転率、製作から発売までの期間等)もかなり抑えることが出来、安いギターの殆どはこの接続方式がとられています。
逆に、接続箇所が塗装で隠されておらず、取り外しが容易なため、いかにボディとネックが隙間なくくっついているかなどの木工精度もチェックされやすく、良いギター=隙間が少ないギターという風潮も見受けられますw
あまり本質的な問題ではないと思いますが、確かにぴったりくっついてるほうが気分的にはいいですね。ちなみに、ESPARTOの木工精度は非常に素晴らしいです。
ハイポジションでのプレイヤビリティ
- 基本的に、弾きにくいものが多いです。ただし、プレイヤビリティについてはカットを工夫するなど年々改良が施されており、昔ながらのストラトキャスター以外はそれほど気にならないものも増えています。ただし、改良するにも強度の確保や工作技術が必要になるため、それなりにコストはかかっていると思われます。
サウンド
- アタック感が強く、音の立ち上がりが早い反面、サスティーンが弱い傾向にあるようです。歯切れが良いため、カッティングなどに特に向いているかと思います。
セットネック
セットネックはGibsonタイプのギターによく使われています。ニカワなどの接着剤でボディとネックが接続されているため、ネックの交換は非常に厳しく、ボルトオンに比べ気を使う必要があります。
さらに、予断ですがGibson社製のギターやそのコピーモデルではマホガニーというよく使われるメイプル材とくらべて柔らかい木材が使われることが多く、またヘッドの構造が衝撃に弱いため、Fenderタイプのものに比べネックが折れやすいという問題があります。非常に気を使いますw
また、バイオリンなどの昔ながらの弦楽器にも採用されており、最も歴史の長いジョイント方法ではないでしょうか。
ハイポジションでのプレイヤビリティ
- 基本的に、弾きにくいものが多いです。ただし、プレイヤビリティについてはカットを工夫するなど年々改良が施されております。が、基本的にレスポールはカッタウェイ(ネックの根元辺りのボディがカットされている部分)の要因のほうが大きいかと思います。基本的にシングルカッタウェイ(レスポールスタンダードなど下部のみカットされているもの)はダブルカッタウェイ(ストラトなど上下がカットされているもの)に比べて弾きにくいです。
サウンド
- ボルトオンに比べ、サスティーンが良い反面、アタック感が若干弱い傾向があります。PUの特性もありますが、あまりレスポールでチャキチャキとしたカッティングを行っているところは見ないですね。
スルーネック
一昔前は、採用されているギターは高級ギターの代名詞でした。現在でも、最も安いものでも10万円前後します。ネックとボディが一体化しているというよりも、ネックの左右にボディがくっついているイメージですね。木工技術、コスト共に高い水準が要求されますが、スルーネック、セットネックと比べ、総じて非常に高いプレイヤビリティが確保されています。ESPのホライズン、BC・Richやそのコピーモデルの高級モデルによく採用されています。
ハイポジションでのプレイヤビリティ
- 総じて高いです。特にダブルカッタウェイのギターでは、ネックヒール(ジョイント部分)での、ボディに邪魔されている感がありません。また、ボディと一体化しているため、ジョイント形式に縛られないヒールの設計が出来るのではないかと想像しています。メンテナンス性の面では、最悪であり、当然ネックの交換は不可能です。
サウンド
- サスティーンが最もよく、逆にアタック感は最も弱いです。実際、個体差もあるでしょうが、3本のギターを試してみてわかるぐらいアタック感が違います。レスポール、ストラトと比べ、よりブリッジに近い部分でピッキングしなければジャキッとした音が出ません。なんでも、スルーネックというのはそれまでの弦楽器としてはネックにウイングのような形でボディが挟まれるという特殊な形状であり、音響特性も実は他の2つの接続方法に比べかなり変わっているようです。なお、70年代〜80年代のHR/HM全盛期は特にハイポジションでの速弾き、長いサスティーンが求められており、スルーネックはそのコストの高さと相まって非常に人気があり、憧れの的でもありました。
以前は高額なジョイント方法(コストがかかっている)=良い接続方法、という風潮がありましたが、現在では、世間が感じる音の良し悪しにも幅が生まれており、またプレイヤビリティ面でも差が詰まってきているため、ネックのジョイント方法によって良し悪しを決めることは殆どなくなっております。どんな音を求めるか、どんなプレイスタイルかなど、向き不向きによって選択されるケースの方が増えてきております。かつては私もスルーネック=良い接続方法と闇雲に思っていた時期もありましたw
この記事が皆さんギターを選択する際の助けになれば幸いです。


