2008年07月03日

弦の張り替えからチューニングまで〜第六回 フロイドローズ編

いよいよ「弦の張り替えからチューニングまで」シリーズ終盤です。 今回はフロイドローズ搭載のギターについて紹介します。 代表的な2種類のギターについては既に説明しましたので、今回はフロイドローズに独自の部分に着目して説明していきます。

過去記事


その一.弦を交換する

古くなった弦を交換します。ストラトレスポールでは全部の弦を一気に交換していましたが、今回は一本づつ弦を交換していきます。理由として、うちのHORIZONはアームアップ用のザクリが施されており、一度に弦を交換してしまうとバネと弦の張力のバランスが安定するまでチューニングを何度も行わなければならないためです。

写真の黄色い線で囲んだところがそのザクリです。このザクリのため、バネの張力が弦の張力を超えると、ブリッジが傾きます。うっかり弦を全てはずしてしまった方は、一度ザクリの部分に布や木片等をいれるなどして、ある程度バネを伸ばした状態で張り始めるといいでしょう。

ザクリ

弦をはずします。まず、ナット部分の黄色い線で囲んでいるところを六角レンチで取り外し、弦を緩めてください。フロイドローズ搭載ギターは、ブリッジとこのナット部分を固定することで、アーミング時のチューニングの狂いを抑えます。

ナットのロック

弦を緩めてニッパーで切った後、ブリッジ側のロックをはずします。黄色い線で囲んだ部分を、六角レンチで緩めるとブリッジから弦が取り外せるようになります。危ないので弦を張ったままはずさないで下さい。

ブリッジのロックをはずす

新しく弦を張ります。弦のポールエンドを切り取ってください。ラウンドワウンドはポールエンドの少し太いところで切ってください。ピンボケすみません。

ラウンドワウンドを切る

フラットワウンドはポールエンドのねじりがなくなっているところ(つまり普通の太さのところ)で切ってください。さらに酷いピンボケすみません。

フラットワウンドを切る

ブリッジの、黄色い線で囲んだところに弦をはさみ、先ほど緩めたボルトを六角レンチでしっかりと締め、固定します。

ブリッジに差し込む

そのニ.チューニングする

ヘッドのペグに反対側の弦の末端を巻きます。ペグに巻きつけたら、その状態でペグを調整して開放弦のチューニングを行ってください。これはヘッドのタイプによって違いますので、過去の記事を参照してください。6本とも左右片側だけについている場合は弦の張り替えからチューニングまで〜第ニ回 ストラトキャスター前編 、左右両側についている場合は弦の張り替えからチューニングまで〜第四回 レスポール前編を参照するといいでしょう。

開放弦のチューニングを合わせたら、今度はオクターブチューニングを行います。オクターブチューニングはチューニングのたび毎回やる必要はありませんが、弦を張り替えた際にはあわせておいたほうがいいでしょう。

具体的には、12フレットのハーモニクスの音程を確認します。フレットの真上で指を軽く振れ、ピッキングしてください。開放弦の音程が合っていればこのハーモニクスの音もぴったり合っているかと思います。
次に、12フレットを押さえてピッキングしてみてください。この時、音程がずれていればサドルの位置を調整します。サドルの調整方法ですが、写真の黄色で囲っているところを六角レンチで緩め、赤く囲っているところを引っ張るなどして位置を調整し、再度黄色で囲っているところを六角レンチで締めます。

なお、写真でみてわかるように、弦の真下にボルトがあるため、一旦対象の弦をダルダルに緩めなければなりません。

  1. 弦を緩める
  2. 黄色の枠内のボルトを緩める
  3. サドルを前後する
  4. 黄色の枠内のボルトを締めて固定する
  5. 再度開放弦のチューニングを合わせる
  6. オクターブピッチの確認をする
  7. 以上をオクターブのピッチが合うまで繰り返す

だるいです。慣れると大体どのぐらい動かせばいいかわかってきて、繰り返す回数が減りますw

オクターブチューニング

  • 12フレットを押さえたときの音程が、ハーモニクスより高い場合、ブリッジ<>12フレット間が近すぎるため、サドルを後ろにずらします。
  • 12フレットを押さえたときの音程が、ハーモニクスより低い場合、ブリッジ<>12フレット間が遠すぎるため、サドルを前にずらします。


オクターブチューニング後、再度開放の音程を合わせます。

ここまでを弦6本分繰り返します。一通り終わったら、ナット側のボルトを再度締めて固定します。

ナットのロック

ここらで終わりたいのですが、まだ続きます('A`;)

先ほど、ナットを締めたため、弦のテンションが変わり、若干音程が上がっているはずです。これを黄色で囲ったネジ(ファインチューナー)を使って調整します。ファインチューナーを閉めると音程が上がり、緩めると音程が下がります。これはサドルの角度を変える事で音程を上下させているのです。

ファインチューナー

以上で、フロイドローズ搭載ギターのチューニングが完了です。もうみてわかるようにかなりめんどくさいです。このHORIZONはストラトと同じPU配列にもかかわらず、ストラトを買った理由のひとつがこのメンテナンス性の悪さですw。しかし、めんどくさいだけあって一旦弦の伸びが落ち着くと、激しいアームアップ、アームダウンを繰り返しても殆どチューニングが狂いません。アーミングを多用する人にとってはフロイドローズはめんどくさくてもお勧めできるユニットです。

便利ツール

最もめんどくさいのはオクターブチューニングを、簡単に行えるツールがあります。ALL PARTS JAPAN社のFRT KEY INTONATING TOOLです。このツールがあれば、オクターブチューニングの手順が以下のように簡略化されます。

  1. 開放弦をあわせる
  2. 弦を緩める
  3. 黄色の枠内のボルトを緩める
  4. FRT KEY INTONATING TOOLを取り付ける
  5. 開放弦を合わせる
  6. KEY INTONATING TOOLのツマミを廻してサドルを前後する
  7. オクターブピッチの確認をする
  8. 再度開放弦のチューニングを合わせる
  9. 弦を緩める
  10. 黄色の枠内のボルトを締めて固定する

ここまでの手順で済みます。上の手順と比べると一見手順が増えているようですが、最後の項目「以上をオクターブのピッチが合うまで繰り返す」が無くなっていますw

このツールによってい、「緩めてサドルいじって締めてチューニングあわせて確認して」が一回で済むようになるわけです。無いと3〜4回は繰り返すかと思います。。。


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k_arcane at 00:33 │Comments(2)TrackBack(0)この記事をクリップ! メンテナンス  | 構造/パーツ

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この記事へのコメント

1. Posted by pickmesweet    2008年09月22日 21:05
このテのユニットについてのトリビア情報です。
ボールエンドの部分で切断しないで、新弦そのままを、ペグ側からさし通します。
ボールエンドはペグのところに来ます。
ブリッジ付近で目分量で切断した弦を、ユニットでロックしたら、チューニングを開始できますよ?
最も遊びの少ない巻き方だと思います。
2. Posted by k_arcane    2008年10月25日 18:30
あ、たまにそのやり方見ます。自分の場合、巻弦のポールエンドの厚みがあったほうがロックしやすそうでなんとなくよさそうという気分の問題ですね。

ナットでロックするので、巻き数も特に気にしなくていいんですよね。

> このテのユニットについてのトリビア情報です。
> ボールエンドの部分で切断しないで、新弦そのままを、ペグ側からさし通します。
> ボールエンドはペグのところに来ます。
> ブリッジ付近で目分量で切断した弦を、ユニットでロックしたら、チューニングを開始できますよ?
> 最も遊びの少ない巻き方だと思います。

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